樹の聲を聞く - 宮大工 川上舟晴

風光ルの内装を手がけてくださった「樹の聲を聞く」職人、宮大工 川上舟晴さんの素材との対話もまた印象的です。

「自分を枌いでくれるなと主張する栗の木」

風光ルに入った正面に鎮座する飛騨産の立派な栗の木のカウンター。内装工事をお願いした合同会社こうこう舎の川上舟晴さんにつくっていただいたものです。川上さんは宮大工で、住宅や店舗内装を請けつつも文化財修復に携わっておられます。


もともとこの栗の木は、川上さんが板状にして使おうと仕入れたので割ろうとしたところ「自分を枌いでくれるな!」と言われた気がしたのだそうです。それ以来どうしても刃がいれられなくなり、どこで使われることもなくずっと倉庫で眠ったままだったとのこと。

川上さんが樹のことばに耳を傾けられたことが、このカウンターへと繋がりました。

そして、そんな栗の木に「風光ルに行ってもいい」と思ってもらえたようで、なんだかとても嬉しく、光栄に思えています

宮大工 川上舟晴(こうこう社代表)
飛騨高山市内にて住宅建築、社寺建築を手掛ける宮大工。日本伝統建築技術保存会認定技術者。「高山榑へぎ研究会」会長を務め、高山に残る伝統技術の継承、文化の保全にも尽力している。

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